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再生医療と美容整形、プラセンタ |
プラセンタは特定生物由来製品で、戦前盛んに行われた埋入療法をよりソフィスティケートさせたものと考えて良いと思います。
医学という学問が科学的エビデンスを追及するというサイエンティフィック的要素が希薄な時期、ヒト胎盤を体調の優れない病人の下腹部などに埋め込むという、今から考えると非常に野蛮な治療行為が行われていました。
しかしながらそういった治療を受けられた方の中で体調の改善が得られる方が現れ、特に肝障害(肝炎、肝硬変)の方々にある程度の効果を発揮していましたが、その当時(戦前)はナマの胎盤を消毒もせず埋め込むものですから、感染や異物反応拒絶反応など好ましくない反応も数多く起こっていました。
そういった中で、滅菌(消毒)を行い、有効成分だけを抽出したのが現在のプラセンタです。プラセンタはシミ・しわなどの肌への美容効果がある事も確認されておりそれが現在の美容皮膚科、アンチエイジング外来でのプラセンタの盛隆へとつながっているわけです。
プラセンタは細い針で筋肉もしくは、血管内に投与し薬効を期待します。
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プラセンタはあまり大きな副作用等報告されていませんが、アレルギー反応があり投与中、もしくは投与直後に、ショックや過敏症などの反応が見られたり、痒みや発疹がでたり、注射部位が硬くなったりすることがあります。
プラセンタのこの副作用は、ごく一部の人にアレルギー反応があらわれるようですが、プラセンタ単独によりアレルギー反応が出現するのか、他の薬やサプリメントなどとの飲み合わせによるものなのかというような所までは明確になっていないようです。 |
一般的にプラセンタによる美白作用、プラセンタによる保湿作用、プラセンタによる組織代謝の促進作用、プラセンタによる結合組織の新生作用、プラセンタによる細胞の増殖再生作用、プラセンタによる血行促進作用など謳われていますが、胎盤エキスの中の何が有効なのか科学的解析もされていないので、同種胎盤由来アミノ酸が効くだろうということしか分っていません。したがって同種胎盤由来アミノ酸の効果の持続は1回のプラセンタ注入で2〜3日と言われており、持続期間が短い為に定期的なプラセンタ注入が必要です。またプラセンタは細い針で筋肉もしくは、血管内に投与し薬効を期待します。プラセンタをしわの直下に注入し、しわ・たるみを直接改善すると謳っているところもありますが、上記した歴史的な流れを考えると、プラセンタをしわに直下に注入してしわの改善を行うというのにはいささか疑問符がつきます。
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『再生医療セルコラーゲン』と『プラセンタ』
治療可能部位と持続期間 |
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再生医療セルコラーゲン |
プラセンタ |
ほうれい線 |
○ |
△ |
顔・たるみ |
○ |
△ |
しわ・たるみ・若返り |
○ |
△ |
上まぶたのくぼみ・三重まぶた |
○ |
△ |
目の下のくま・しわ |
○ |
△ |
スキンケア |
○ |
△ |
持続期間 |
数年以上 |
2〜3日 |
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